Energia 中國電力

社長インタビュー

Q.1  現在,日本では,原子力発電所の再稼働に向け,原子力規制委員會による新たな安全基準への適合性審査が進められていますが,島根原子力発電所の狀況はどうなっているのですか。再稼働に向けた今後の見通しはどうでしょうか。
A.1  當社の島根原子力発電所においては,2號機の適合性審査が進められています。また,3號機についても2018年8月に新規制基準への適合性申請を行いました。再稼働?運転開始時期について確たることを見通すことはできませんが,まずは原子力規制委員會の審査をクリアすることが必要であり,審査対応に全力を挙げているところです。
  社會?経済活動の基盤となる低廉で安定した電力供給を実現していくためにも,また,會社業績を健全化させ株主?投資家の皆さまのご期待にお応えしていくためにも,原子力発電所の安全性向上に取り組み,早期に 稼働させることが不可欠と認識しています。再稼働には,原子力規制委員會の審査をクリアすること,規制基準で求められている対策が完了していること,そして,地域の皆さまにご理解をいただけることの3つが大きなポイントになると考えています。
  2號機(営業運転開始1989年,82萬kW)については,新規制基準への適合性申請を2013年12月に行いました。現在,原子力規制委員會による審査が進められており,2018年2月には,発電所における耐震設計の基準となる基準地震動について,また,2019年9月には発電所敷地への浸水対策を講じるうえで重要な基準津波について,原子力規制委員會から概ね妥當と評価されました。
  3號機については,國,メーカー,電力會社が共同で開発した安全性?信頼性の優れたユニットである,改良型沸騰水型軽水爐(ABWR)を採用しており,電力自由化による競爭が進展する中,當社の競爭力の源泉となる重要プラントです。設備は既に完成しており,燃料裝荷までに行われる使用前検査は全て終了しています。2018年8月には,新規制基準への適合性申請を行い,同年9月に初回の審査會合が開催され,申請の概要についてご説明しました。
  再稼働?運転開始の具體的な時期については,確たることを申し上げることができる狀況にはございませんが,現地の安全性向上対策も精力的に進めており,再稼働?運転開始に向けて著実に前進しているものと受け止めております。
  また,原子力発電所を稼働させ,安定的に活用していくには,地域の皆さまのご理解が不可欠です。政府は,2018年7月に閣議決定された「エネルギー基本計畫」において,「原子力規制委員會により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には,その判斷を尊重し原子力発電所の再稼働を進める」「國も前面に立ち,立地自治體等関係者の理解と協力を得るよう,取り組む」としています。當社は,安全性向上に向けた設備面での取り組みを進めるとともに,地震?津波といった自然災害や火災など様々な要因により発生する事故を想定した訓練等の実施による社員の意識?対応力の向上を継続的に図っていくなど,ソフト面での安全性向上にも努め,これらの取り組みを地域の皆さまに丁寧にご説明していくことで,原子力発電の安全性に対する不安の払しょくに努めていく考えです。
Q.2  2020年3月期の配當予想の考え方を教えてください。
A.2  2020年3月期の配當については,安定配當継続の基本方針に従い,中間,期末ともに1株につき25円とさせていただきます。
  配當については,當社は安定配當の継続を基本とし,単年度の業績だけでなく中長期的な収支?財務狀況の見通し等を総合的に勘案し,1株につき年間50円の配當を実施してまいりました。
  現狀,競合他社との競爭の激化や島根原子力発電所の稼働停止の長期化により,自己資本の毀損が相當程度進んでおり,島根原子力発電所が稼働するまでの間の配當については,その時點の収支?財務狀況を確認した上で,都度,判斷させていただきますが,安定配當の継続という基本方針を見直す考えはありません。
  年度ごとの変動はありますが,大型石炭火力が停止するなど突発的な収支悪化要因がなければ,大きな赤字にはならない経営體質になってきていると考えています。経営の安定化には島根原子力発電所の稼働が不可欠という狀況に変わりはなく,1日も早い島根原子力発電所の稼働と更なる効率化に注力することが最優先課題と考えています。
Q.3  日本では電力システム改革が進められており,2016年4月の全面自由化開始から3年が経過しましたが,現狀をどう受け止めていますか。また,自由競爭下において,民間事業者が原子力発電所を運営していくことはリスクが大きいとの見方も市場にはありますが,どのように考えていますか。
A.3  競爭は激しくなっていますが,當社の新たな料金メニューやサービスに対して,多くのお客さまから確かな評価をいただいております。付加価値の高いサービスを提供していくことなどで,事業基盤である中國地域のお客さまに引き続き選択していただくことを目指してまいります。
  また,民間事業者が原子力発電所を運営していくには,將來の見通しをもって長期の事業を計畫し,実行できる環境整備が不可欠だと考えており,必要な政策措置が講じられるよう求めていく考えです。
  電力の小売全面自由化を受け,中國地域においても大手電力會社を含めた多數の小売事業者が參入するなど,地域の垣根をこえた競爭がより一層激しくなっています。このような中,會員制WEBサイト「ぐっとずっと。クラブ」および新料金メニュー「ぐっとずっと。プラン」の會員?加入口數が,いずれも2019年10月時點で100萬口を突破しており,多くのお客さまから確かな評価をいただいております。
  當社グループとしては,家庭から事業用までエネルギーに関する多様なニーズに対し,付加価値の高いサービスを提供していくことなどで,事業基盤である中國地域のお客さまに引き続き選択していただくことを目指してまいります。
  一方,自由化によってお客さまがメリットを享受するためには,原子力発電所の再稼働が進むなど電力需給の狀況が安定していることや,競爭環境下においても安全確保を大前提に原子力発電を重要なベースロード電源として活用していくための事業環境整備が必要になります。
  この事業環境整備の一環として,2016年5月,原子燃料サイクル事業について,國の一定の関與のもとで事業に必要な資金が安定的に確保され,著実かつ効率的に事業を実施することを目的とする法律が成立し,同年10月には,その実施主體として,使用済燃料再処理機構が設立されました。また,原子力損害賠償制度についても,國と事業者の適切な役割分擔等,國による見直しの検討が行われています。
  當社としても,民間事業者が原子力発電所を運営していくには,將來の見通しをもって長期の事業を計畫し,実行できる環境整備が不可欠だと考えており,必要な政策措置が講じられるよう求めていく考えです。
Q.4  中長期的な成長シナリオについてどのようにお考えでしょうか。
A.4  まずは,島根原子力発電所の早期稼働に取り組み,加えて,三隅発電所2號機の開発等により電源の競爭力強化を図ります。また,國內他地域や海外における成長事業により収益力の底上げを図っていくことで,震災前を上回る利益水準を安定的に確保することを目指します。

  當社は,2016年1月に,2020年代を展望した「中國電力グループ経営ビジョン」を策定し,利益?財務の目標を掲げました。
  まずは,島根原子力発電所の審査対応に全力を挙げ,2號機の早期再稼働,最新鋭機である3號機の著実な運転開始に取り組みます。加えて,100萬kWの石炭火力である三隅発電所2號機の開発等によって,電源の競爭力強化を図ります。
  また,新たな収益基盤を確立するため,中國地域外における電気の販売や海外における発電事業などに取り組むとともに,既成概念にとらわれない新たな発想で,既存ビジネスの革新や新ビジネスの創出を推進することで,グループとして収益力の底上げを図ってまいります。
  これらの取り組みを通じて,ビジョンに掲げた利益?財務目標の達成を目指します。

2019年12月

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